マイクロ法人とはいえ、必要な事務手続きが色々あって大変ですよね。
今回は年末年始の恒例行事(期限は翌年の1月31日!)となる、
- 年末調整
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書
(及び同合計表)の提出 - 給与支払報告書の提出
- 償却資産申告書の提出
これらの手続きについて、オンラインで行う方法(3STEP)を紹介します。
- オンライン申告準備
- 社員として書類作成
- 法人として書類作成・提出(eLTAX)
筆者の備忘をかねた記事になりますが、なるべく楽に手続きしたい人の参考になれば幸いです。
- 1人社長
(従業員は自分のみ) - 役員報酬は月45,000円
(給与所得控除額の範囲内) - 法人としての支払は給与のみ
(外注費や不動産に関わるお金のやりとりなし) - 償却資産の評価額は自分で算出しない
①オンライン申告準備
オンライン申告をするためには、以下が必要になります。
年末年始を迎える前に、なる早で用意しておきましょう。
- マイナンバーカード
- PC(Windows)
- ICカードリーダー
- e-Taxで利用者識別番号(法人用)の取得
- eLTAXの利用準備
2024年1月現在だと、オンライン申告できるeLTAX(DL版)はWindowsのみの対応となっています。
他のオンライン申告ツールでもWindowsの方が優先的に対応されてる印象なので、もしWindowsのPCを持っていない人は、事務手続き用に安いPCを買った方がいいかもですね。
ICカードリーダーはパッケージに「e-Tax/eLTAX対応」と表記されてるものを買いましょう。
筆者は3000円~4000円くらいのものを買いました。
eLTAXはこちらを見ながら、以下準備を進めましょう。
- 利用者IDの発行
- PCdesk(DL版)のインストール
- e-Tax利用者情報の登録
②社員として書類作成
準備が整ったら作業に入っていきましょう。
- 年末調整(今ココ)
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書
(及び同合計表)の提出 - 給与支払報告書の提出
- 償却資産申告書の提出
年末調整って毎月引かれる所得税の過不足を調整する作業だから、役員報酬を非課税にしてたら関係ないんじゃ?
って思ってましたが、実はそんなことありません。
まずはマイクロ法人の社員(役員)として必要な次の書類を作成していきます。
各リンクから入力用のPDFファイルをダウンロードして、各項目を埋めていきましょう。
ちなみに上記書類は提出不要なものの、会社としては保管義務(7年)があるので、会計ソフトなどに保存しておくこと。
ここでポイントなのは、
扶養家族や生命保険など各種控除を受けるための項目は空白でOKってことですね。
各種控除は確定申告の方でまとめて申告できるので、年末調整の際は名前や住所など基本的な情報だけで大丈夫。
特に役員報酬を45,000円にしている人など、給与所得から源泉徴収していない人は、税務署からの還付となる場合に手続きが増えてしまうので要注意です。
※税金の還付は「①すでに給与から引いてある税金からの還付」と「②税務署からの還付」の2通りあります
③法人として書類作成・提出(eLTAX)
続いて法人として書類を作成、提出していきます。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書と給与支払報告書
まずは以下2つの書類から。
- 年末調整
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書
(及び同合計表)の提出(今ココ) - 給与支払報告書の提出(今ココ)
- 償却資産申告書の提出
給与所得の源泉徴収票等の法定調書はe-Tax(国税のオンライン申告システム)でも作成・提出できますが、 eLTAXでまとめて手続きするのがおすすめです。
次のメニューを選んで書類を作成していきます。
- 申告に関する手続き
- 申告データの作成
- 個人住民税
- 給与支払報告書・源泉徴収票及び合計表
- 個人住民税
- 申告データの作成
「個人住民税」が選択できない場合
「利用者情報に関する手続き > 提出先・手続き変更」から「個人都道府県民税・市区町村民税(特徴)」の申告税目を追加しましょう。
「給与支払報告書 – 給与所得の源泉徴収票」の入力
- 整理番号:郵送される所得税徴収高計算書に記載の番号
- 個人番号:マイナンバーカードの番号
- 住所:給料をもらった人の住所
- 氏名:給料をもらった人の名前
- 種別:給料
- 支払金額:額面の総額
※未振込があれば「内」の項目に金額を書く - 給与所得控除後の金額:支払金額が55万円未満の場合は0円
- 所得控除の額の合計額:支払った社会保険料+基礎控除(48万円)
- 源泉徴収税額:0円 ※最新の源泉徴収税額表を参照
- 16歳未満扶養親族の数
- 社会保険料等の金額:給与から天引きした合計額
- 16歳未満の扶養親族(子供が海外にいる場合は区分に◯)
- 受給者年月日:なにやら自動で入る
- 個人番号又は法人番号:マイクロ法人の場合は法人番号
- 普通徴収:給与天引きしない場合にチェック入れる
会計ソフトを導入していれば、上記の金額計算もあっという間ですね。
筆者はFreee会計のミニマムプランを利用してます。
マイクロ法人であれば機能的に十分なうえ、年払いでたったの23,760円(1ヶ月あたり1,980円!)とコスパ抜群。
ちなみにマネーフォワードは年払いで35,760円(1ヶ月あたり2,980円)なので、特にこだわりなければFreeeがおすすめですね。※2023年1月現在
合計表(給与所得の源泉徴収票)の入力
提出区分:新規 | 人員 | 左のうち、 源泉徴収税額のないもの | 支払総額 | 源泉徴収税額 |
---|---|---|---|---|
A 俸給、給与、賞与等の総額 | 1人 | 1人 | XXXXX円 | 0円 |
Aのうち両欄適用の日雇労務者の賃金 | (空白) | (空白) | (空白) | (空白) |
B 源泉徴収票を提出するもの | 1人 | (空白) | XXXXX円 | 0円 |
災害減免法により徴収猶予したもの | (空白) | (空白) | (空白) | (空白) |
作成できたら、画面の案内に従って電子署名の付与、申告データの送信で手続き完了です。
償却資産申告書
償却資産申告書は償却資産を持っていない人も提出が必要なので要注意です。
- 年末調整
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書
(及び同合計表)の提出 - 給与支払報告書の提出
- 償却資産申告書の提出(今ココ)
次のメニューを選んで書類を作成していきます。
- 申告に関する手続き
- 申告データの作成
- 固定資産税(償却資産)
- 増加資産/減少資産申告
- 固定資産税(償却資産)
- 申告データの作成
詳しい操作手順はこちらを参照。
「固定資産税(償却資産)」が選択できない場合
「利用者情報に関する手続き > 提出先・手続き変更」から「固定資産税(償却資産)」の申告税目を追加しましょう。
入力メモ
- 申告する償却資産が無い場合は「作成方法選択」画面で「本表のみ」にチェックを入れる
- 「申告様式選択」画面では「償却資産申告書(償却資産課税台帳)様式のみ選択
- 別途届け出ない限り「税務会計上の償却方法」は「定率法」を選択
- 事業所用家屋の所有区分は空欄で提出
まとめ
今回は年始に行う以下の事務手続きについて、オンラインで申告する方法を紹介しました。
- 年末調整
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書
(及び同合計表)の提出 - 給与支払報告書の提出
- 償却資産申告書の提出
1度やり方さえ覚えてしまえば、1時間も掛からなそうですね。
それでは、おつかれさまでした!
<プロフィール>
- キャリア10年以上のITコンサルタント
- 東証プライム企業やITベンチャー、総合系外資コンサルを経て2022年に独立
- 40代のセミリタイアに向かって「節税 × 投資」で資産作り中